コラム

パリの出版業界を舞台に繰り広げられる迷える大人たちのラブストーリー。

映画『冬時間のパリ』

パリの出版業界を舞台に、二組の夫婦の愛の行方を描く物語。

編集者のアラン(ギョーム・カネ)は、押し寄せる電子書籍ブームの中、なんとか時代に順応しようと奮闘していました。そんな中、作家で友人のレオナール(ヴァンサン・マケーニュ)から、不倫をテーマにした新作の相談を持ちかけられます。内心で彼の作風を古いと感じていたアランでしたが、アランの妻で女優のセレナ(ジュリエット・ビノシュ)の意見は丸っきり正反対。アランは年下のアシスタントと不倫中、一方セレナもレオナールと秘密の関係を持っているという、最近の二人の夫婦仲はうまく行っていない…。 パリの出版業界を舞台に二組の縺れた夫婦の愛の行方は…。

ジュリエット・ビノシュ演じるセレナは敏腕編集者アランの妻で、人気テレビシリーズの人気女優なのにどこか物足りなさを感じながら日々を過ごしている中、夫の出版者の作家レオナールと秘密の関係を結んでいるし、このレオナールがまた傑作で、実生活では嘘をついているのに彼が書く小説には”真実”が書かれていて、本人曰く「これ小説なんだけど…。」でも周りからすると「誰かをモデルにしてるってバレバレでしょ~。」と突っ込まれる有り様。

こんな個性的な登場人物たちの、とにかく最初から最後まで会話、会話、会話と会話劇が繰り広げられ画面にグイグイと引き付けられました。

この映画のテーマは「デジタル社会への順応」と「不倫」。
紙からデジタルへの進化、そして夫婦の間に生じた拗れた愛と時の流れと共に変化していく環境をどう受け入れていくかという迷える大人たちのラブストーリーに思わず共感したり、「こんな考え方もあるのね~」なんて新たな発見をしたり…。
確かに、これからの時代電子書籍化が進む中、ペーパーブックはどうなっていくんだろうとテクノロジーが進化していく世の中の動きに期待や不安もあります。
この映画には今私たちにおける「現代社会あるある」が色々詰まっている作品とも言えるでしょう。
それだから、フランス的、人生の愉しみ方とも言われる「食べて、飲んで、愛して、会話する。」と、この映画を見てたら美味しい食事を味わいながら、あーだこーだと色々意見したくなってしまって、彼らの中に一緒に入り込んでお喋りしたくなっちゃうかもしれませんよ(笑)

冬のパリが舞台というだけに、お洒落な気分を味わいながら大人のラブストーリーを楽しんでみてはいかがですか。

『冬時間のパリ』
12月20日(金) Bunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー
©CG CINEMA / ARTE FRANCE CINEMA / VORTEX SUTRA / PLAYTIME
監督・脚本:オリヴィエ・アサイヤス『夏時間の庭』『アクトレス 女たちの舞台』
出演:ジュリエット・ビノシュ、ギョーム・カネ、ヴァンサン・マケーニュ、
クリスタ・テレ、パスカル・グレゴリー
2018年 / フランス / フランス語 / 107分 / 原題:Doubles Vies / 英題:Non-Fiction
日本語字幕:岩辺いずみ / 協力:東京国際映画祭
後援:在日フランス大使館・アンスティチュ・フランセ日本 / 配給:トランスフォーマー

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