コラム

ひとりの少女と共にベル・エポックのパリへタイムトリップ

映画『ディリリとパリの時間旅行』

近頃のアニメーション映画って何だか興味深いものが多いですよね。
初めてこの映画のチラシを目にした瞬間、独特な世界観漂う雰囲気の素敵な絵に私は心ときめいてしまいました。
今回は美しき黄金時代のパリで起こった少女誘拐事件の謎を解く可愛い勇敢な少女の物語をご紹介しましょう。

舞台はベル・エポックの時代のパリ。ニューカレドニアからやってきた1人の少女の名前はディリリ。彼女はどうしても外国に行ってみたくてこっそり船に乗り込みパリへやって来ます。

そこで出会った最初の友人はオレルという配達人の青年。ディリリはオレルとバカンスを楽しもうと心弾ませますが、パリでは町を騒がす少女たちの誘拐事件の話題で持ちきり。二人は誘拐された少女たちを救うためパリの有名人たちに会い誘拐事件の謎を解いていくのでした。

この物語の中にはエッフェル塔や凱旋門、オペラ座、ヴァンドーム広場などパリの名所が数々登場するのに加え、キュリー夫人やコレット、ピカソ、ルソー、モネ、ロートレック、マルセル・プルースト、サラ・ベルナールなどこの時代を彩った天才たちが登場して二人の事件解決に協力していきます。

パリの名所を駆け巡りながら色んな有名人に出会えるなんてそれだけでも贅沢気分が味わえるでしょう(笑)

そしてこのパリの背景はミシェル・オスロ監督が4年かけて撮影した写真を加工し、アニメーションと融合させて作り上げられているので、まるでパリに居るかのように思わせてくれるすごく素敵でお洒落な映画になっています。

ただ単にお洒落で素敵なだけではなく、人種差別や人との出会いの大切さなど考えさせられる要素も沢山含まれている学べる作品ですし、見るべき作品でもあるのでこの映画を通して誰かと語り合うひとときも大切な時間だと改めて感じさせてくれました。

可愛らしくて勇敢なディリリちゃんとスラリと素敵なオレル。
果たしてふたりは少女たちを助けることができるのでしょうか?

芸術と花の都パリと共に二人の事件解決への道のりを是非映画館でお楽しみ下さい。

『ディリリとパリの時間旅行』
Yebisu Garden Cinema他全国順次公開中

© 2018 NORD-OUEST FILMS – STUDIO O – ARTE FRANCE CINEMA – MARS FILMS – WILD BUNCH – MAC GUFF LIGNE – ARTEMIS PRODUCTIONS – SENATOR FILM PRODUKTION

辻 美香

シネマナビゲーター
1972年8月15日生。
長崎を中心に映画コメンテイター、映画ライターとしてラジオ、テレビ、講座講師等で活動。
ラジオパーソナリティーエフエム諫早『美香のFlower Cinema』(毎週金19:30~)

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