映画『1917 命をかけた伝令』
「プライベート・ライアン」「ダンケルク」と今までにも心に残る”戦争映画”ありますよね。
今回は「アメリカン・ビューティー」「007/スカイフォール」の名匠サム・メンデス監督がこれまでの”戦争映画”に新たな体験をもたらし、観る者の胸を打つ感動作をご紹介しましょう。
1917年フランス。第1次世界大戦を舞台に若きイギリス兵のスコフィールドとブレイクの2人が、兄を含めた最前線にいる仲間1600人の命を救うため、重要な命令を一刻も早く伝達する任務をあたえられ、さまざまな危険が待ち受ける敵陣に身を投じて駆け抜けていく姿を描く戦争ドラマ。
この映画の見所ともいえる、二人の若き兵士の行動に寄り添い、自分もその場にいるかのような体感を味わえる「全編を通してワンカットに見える映像」。
これにより、死んだ馬や腐敗した人間の死体、それに集るハエやネズミ…まるで地獄絵図のような光景の中をいつ背後から襲われるかわからない緊張感に心臓は張り裂けそうになる…。
上映時間119分、私は戦場にいました。
スコフィールドとブレイクとともに。
仲間に一刻も早く重要なメッセージを伝えるには、敵が去った後なんて悠長なことは言ってられない、敵がいようとも、そこを通らなければタイムアウトになってしまう…。
自分は今ここで死ぬかもしれない、でも仲間を救うため、そして自分たちも生きるため…
走れ、走れ、一刻も早く…。
映画を見ながら、そして自分もその場にいるように思いながら、ただただこの言葉が頭の中を駆け巡り、必死な思いでいっぱいになりました。
実際に第一次世界大戦に従軍していた祖父から聞いた体験談をもとに監督が初めて脚本も手掛けた渾身の作品だけに、戦争の恐ろしさ、悲惨さをリアルに体感できる世界へ放り込まれ極限状態に陥る体感型戦争映画ではあるけれど、その中にある美しさや感動に涙が溢れました。
若手二人の英国兵士が走り続ける中でコリン・ファースやベネディクト・カンバーバッチ等大物英国俳優がまるで二人を見守るかのように華を添えるところもこの映画の素晴らしさに繋がるのでしょうね。
「お願いだから、無事に任務を果たして欲しい!」と二人の無事を心から強く願わずにはいられないのです。
映画『1917 命をかけた伝令』
2月14日(金)全国ロードショー
監督:サム・メンデス(『007 スペクター』(15)、『007 スカイフォール』(12)、『アメリカン・ビューティー』(99)ほか)
出演:ジョージ・マッケイ、ディーン=チャールズ・チャップマン、ベネディクト・カンバーバッチ、コリン・ファースほか
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公式HPサイト:1917-movie.jp #映画1917
シネマナビゲーター
1972年8月15日生。
長崎を中心に映画コメンテイター、映画ライターとしてラジオ、テレビ、講座講師等で活動。
ラジオパーソナリティーエフエム諫早『美香のFlower Cinema』(毎週金19:30~)