コラム

何度も生まれ変わる犬ベイリーが教えてくれる”犬と人”との愛情物語。

映画『僕のワンダフル・ジャーニー』

みなさんの中にもワンちゃんと一緒に毎日を過ごしている方や過ごしていた方は沢山いらっしゃると思います。
私の家にも昨年までヨーキーの女の子がいました。(15歳で天国に召されるまで大きな病気もせず、親孝行なワンちゃんでした。)
嬉しい時、悲しい時、いつも側に寄り添ってくれる大切な家族の一員であり大きな存在であるワンちゃん。
今回は愛する飼い主に再び会うために転生を繰り返す犬のベイリーが大活躍する2017年に公開された『僕のワンダフル・ライフ』の続編『僕のワンダフル・ジャーニー』をご紹介しましょう。

前作で50年で3度生まれ変わり、最愛の飼い主イーサンと再会したベイリーは、イーサンと彼の妻ハンナそしてハンナの孫娘CJとその母親グロリアらとともに農場で幸せな日々を送っていますが、ある時母親のグロリアはCJを連れて農場を出て行ってしまいます。
悲しむイーサンとハンナの姿を見ながら”犬生”の終わりを迎えようとしていたベイリーはイーサンから「CJを守るために戻って来てほしい」と頼まれます。
ベイリーは次の生まれ変わりでCJを見つけ出し、どんなことがあっても彼女を守ることを誓うのでした。

原作はこの映画の脚本を担当した作家のW・ブルース・キャメロンが、愛犬を亡くし悲しみに暮れていた、後に妻となる同じく脚本を担当したキャスリン・ミッションのために何度も生まれ変わる犬の話を即興で語ったストーリーが基になっているそうです。

ひとあし先に天国へと旅立った愛犬が、自分にもう一度会うために生まれ変わってくる…。

「こんな夢みたいなことってあるのかしら…。」なんて思いがちですが、飼い主への犬の一途な思いがいっぱい込められているこの映画を見ると本当にあり得るのではないでしょうか…。
そう考えると、愛犬を亡くした悲しい気持ちに光が差し、何だか暖かな気持ちになります。
もしかしたら、私の愛犬も生まれ変わってまたいつか会いに来てくれるかもしれない…。と希望さえ湧いてくるのです。

犬は人間のように言葉は話せないけれど、気持ちで寄り添い語りかけてくれます。
イーサンやCJのように犬を自分と同じ目線で心から大切に接する気持ちを持つことが犬にもちゃんと伝わるからこそ深い絆が生まれるんでしょうね。
犬は話かけると真っ直ぐ目を反らさずに聞いてくれます。
私は自分の愛犬は誰よりも一番の良き理解者だと思っていました。
もちろん亡くなった時には淋しくて悲しくてたまらない気持ちになりましたが、この映画のおかげで心が安らぎました。
ベイリーが少女から大人へと成長するCJを守るために奮闘するだけではなく、まわりの人をも幸せにする物語に涙すること間違いなしです。
ハンカチのご用意をお忘れなく、映画を楽しんで下さいね。


『僕のワンダフル・ジャーニー』
9月13日(金) 全国ロードショー

監督:ゲイル・マンキューソ
原作・脚本:W・ブルース・キャメロン
製作総指揮:ラッセ・ハルストレムほか
出演:デニス・クエイド、キャスリン・プレスコット、アビー・ライダー・フォートソン、ヘンリー・ラウ、ジョシュ・ギャット(声)ほか
日本語吹替え版声の出演:高木渉、大塚明夫、松岡洋子、石川界人、朴璐美、鈴木達央ほか
配給:東宝東和

©2019 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC
公式HP:https://boku-wonderful.jp/ 
原作:「僕のワンダフル・ジャーニー」(新潮文庫刊/8月1日発売)

辻 美香

シネマナビゲーター
1972年8月15日生。
長崎を中心に映画コメンテイター、映画ライターとしてラジオ、テレビ、講座講師等で活動。
ラジオパーソナリティーエフエム諫早『美香のFlower Cinema』(毎週金19:30~)

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